建築業界で派遣はNG?ダメな作業はどれ?

建築業界で派遣はNG?ダメな作業はどれ?


建築業界においても人手不足が深刻化し、2050年問題(※)を前に、既に労働力が枯渇している状況です。
IT業界や建築業界は特に他の業界と比べてもエンジニアの数が少なく、業界内での「パイの奪い合い」に発展しており、労働力の創造が課題となっています。
そんな中、建築業界においても派遣を取り入れている企業が出てきており、派遣登録して現場に入るという業界内では新しい取り組みが行われています。
しかし、建築業界での派遣はNGという部分もあり、今回はそのあたりをご紹介していきます。
(※)日本の総人口が1億人を下回り、65才以上の高齢者が人口の2/3を占める等働く世代の減少が見込まれる

派遣業界で派遣がNGな理由

一般社団法人日本人材派遣協会によると、労働者派遣の禁止業務として、建設業における禁止業務は以下のようになっています。
・資材の運搬や組み立てなどを行う
・工事現場での掘削や埋め立てを行う
・コンクリートを合成したり、建材を加工したりする作業を行う
・壁や天井、床の塗装や補修を行う
これらは、あくまでも一部の例に過ぎませんが、このように、建築業界においての派遣では、禁止されているものがあります。

作業はNG!

基本的に派遣をする場合には「作業」の仕事は禁止されており、作業以外の事務やCADオペレーター、施工管理などはNGではありません。

作業をしなければOK?

施工管理など、作業をしなければ、派遣として業務していても問題ありません。
派遣で禁止されているのは、「土木、建築その他工作物の建設・改造・保存・修理・変更・破壊若しくは解体」に関する“作業”を行うことが禁止されています。

建築業界の派遣が大丈夫な例

建築業界において派遣が大丈夫な例もあります。それは、「施工管理技士」の仕事や、「事務員」「CADオペレーター」などの仕事です。

施工管理技士

施工管理技士の仕事は、「作業」を行わないため、派遣での業務もOKとなります。
基本的に施工管理技士の方の仕事は、現場監督としての仕事となるため、工事発注者との打ち合わせや下請け会社との打ち合わせ、設計会社との打ち合わせなど、基本的には作業は行わず、指導や監督が業務となります。
施工管理技士は、工程管理・安全管理・品質管理など管理業務が主な仕事です。

事務員

建築業界や建設業界における事務員の仕事としては、電話の取次ぎやお茶出し、ファイルの管理・作成などが挙げられます。
また、企業によってはCADを利用した修正などを手伝うこともありますが、それぞれの企業ごとに業務は異なります。

CADオペレーター

CADオペレーターの仕事は、建築や建設において、設計や製図をする仕事です。
基本的には設計をする場合には、その知識が必要になりますが、製図をする分においては、指示された内容に対してCADを利用して製図を行います。
設計会社だけではなく、施工管理を行う企業においても、製図を行うオペレーターは必要です。

建築業界で派遣は珍しい?

これまで、建築業界においては、正社員として雇われるというイメージが強かったですが、今では派遣も珍しくなく、派遣によって働くエンジニアの方も多くなっています。
特に、施工管理技士などは技術職となるため、多くの現場で求められ、派遣として働く方も昔より多くなっています。

建築業界で派遣をするメリット

次に、建築業界において、派遣で働くメリットについて見ていきましょう。

労働者側のメリット

次に、労働者側のメリットも見ていきましょう。

・自分に合った働き方ができる

派遣として働くことで、自分のライフスタイルに合わせた働き方ができます。
正社員の場合には一年を通してスケジュールがある程度決まってきますが、派遣の場合にはそのようなことはなく、現場も選択することが可能です。

・現場に集中できる

帰属意識などを持たずに働くことができ、社内のしがらみなどもあまり関係なく働くことができるため、現場に集中することができ、良い仕事をすることができます。
質の高い仕事をすることで、自分の実績になり、質の高い仕事ができる環境を自分で選択できるようになります。

・現場を変更できる

現場を選択することができるのも、派遣として働く魅力の一つと言えるでしょう。
正社員の場合には現場の選択はなかなか難しいですが、派遣社員として働く場合には、自分の希望を伝えることができるため、ある程度の希望は叶えることができます。
このようなメリットがあると言え、派遣による施工管理の仕事などはおすすめです。

企業側のメリット

派遣を通して施工管理技士などを雇う場合には、企業先にとって以下の様なメリットがあります。

・現場が無い時はコストが掛からない

企業側のメリットとして、現場があるときにしかコストは掛からないという利点があります。
正社員として雇用すると、現場が無い時でもそのコストを抱えるため、年間で考えたときに生産活動をしていないときのコストも年によっては多くなることもあるでしょう。

・実績を積んだキャリアを採用できる

派遣では、実績を積んだキャリア採用がメインとなるため、多くの現場を経験しているベテランなどを採用することができます。
正社員を新卒で採用する場合には教育コストなども掛かりますが、そのようなコストを見なくても良いのがメリットと言えるでしょう。

まとめ

これまで、建築業界における派遣についてご紹介してきましたが、派遣は一部の作業は禁止されていますが、建築業界そのものが禁止されているのではなく、作業をしない場合には派遣での仕事も可能となっています。
つまり、

「施工管理」はOK
「各種作業」はNG

ということになります。

さまざまなメリットもあるため、派遣として働くことも視野に入れてみてはいかがでしょうか。